ポストLiBの候補とは?
これまでクルマ用として実用化された電池を説明してきた。現在代表格であるリチウムイオン電池は、EVの三悪と言われる1)価格が高い、2)航続距離が短い、3)充電時間が長いが大きな課題として残っている。ただし、個人消費として考えられば大きな課題ではあるが、2020年末から始まった欧州電動革命から分かるように使う企業、環境を整える国が大きく貢献すれば、その課題もどこかへ吹き飛んでしまう。反対に個人消費に対する企業、国の援助力が小さい日本のような国ではEV化は遠い世界となってしまう。これが今起こっている現実の姿である。
いずれの場合でも、現状LiBの次と言われるポストLiBがいつ世の中にクルマ用、EV用として出てくるのかは確かに重要なことだ。そのあたりの状況を加味して、図31に将来のポストLiB候補をエネルギー密度マップ中に示した。5年程前のポストLiBの候補は、図中に示す全固体電池(電解液☛固体電解質)と言われるLiBであったが、未だ量産されるという情報もない。次に注目されているのは、Li-S電池(リチウム硫黄電池)、Fイオン電池(フッ化物イオン電池)であるがこれらも2035年頃に量産化?といわれている代物である。
当面はLiBを適用しながら、企業、国と連携して欧州並みのEV化に追いつきたいものである。詳しくは「おらが村にEVが走る⁉(後編)」を参考にされたい。@2021.11.1記
出典☛「2050年までの主役はLi-S系か、車両系はフッ化物イオン系に革新」
日経クロステック@2020.12.21 より加筆