セミナー教育で使われる「講義1~8」の概要を以下に示しました。基本的な知識は盛り込まれていますが、私が経験したこと、講演会・セミナー講義の重要な情報も全て入っています。これまでと違ったセミナー教育資料に仕上がっていると思います:
❑黒煙を撒き散らすディーゼルトラックは、汚い・臭いの代表格でした!
☛<講義1> ディーゼルエンジンの基礎(盛沢山の内容です!)@全340頁
まさか、私がその部署に配属されるとは夢にも思いませんでした。最初は嫌でたまりませんでしたが、結局コモンレールの責任者を降りた2003年末まで17年間ディーゼルエンジンの噴射装置に関わってきました。特にその思いを込めて資料を作成しました。ディーゼル燃焼の基礎、ディーゼルエンジンの基礎、そして私がかかわったコモンレールの開発物語(東工大大学院講義資料)まで載せてあります。ニッチな分野ではありますが、ぜひ基礎学習のお役に立てて下さい:
①ディーゼルエンジンの歴史:市場シェア、クリーンディーゼル、VW社不正問題、EV化
②ディーゼル燃焼の基礎:拡散燃焼、PM生成、排気ガス規制、後処理、低圧縮比化
③コモンレール開発物語(東工大大学院講義内容)
:誕生の背景と開発の苦悩、開発設計者にとって重要な事
❑ガソリンは単純な燃焼ですが、多くのエンジン補機、制御が必要です!
☛<講義2~4> ガソリンエンジンの基礎①②③ @全310頁+全355頁+全320頁
ガソリンエンジンとの出会いは、コモンレールの責任者を降りた2004年からでした。ディーゼル燃焼に比べれば非常に単純ですが、O₂センサーによる理論空燃比燃焼で三元触媒が成立するという奇跡に出くわした燃焼でもあります。したがって、ディーゼルのように燃料を噴射すればあとはエンジン任せというのではなく、理論空燃比での燃焼を実現するために数多くのセンサーによるフィードバック制御が重要となる燃焼です。エンジン本体よりも、どちらかろ言えば補機が重要な位置を占めるエンジンということに驚きました:
①ガソリン燃焼:乱流火炎伝播燃焼の基礎、ノッキング、4つの損失仕事、正味熱効率
②エンジン本体部品:燃焼室、シリンダーブロックとヘッド、ピストン~フライホイール
③吸気装置:エアークリーナー~吸排気バルブ(+可変機構)、過給機(+可変機構)
④燃料噴射装置:燃料ポンプ、インジェクタ、空燃比制御、三元触媒
⑤充電・始動装置:オルタネータ、整流回路、鉛蓄電池、スタータ、マイクロHV
⑥点火装置:昇圧原理、イグニッションコイル、点火プラグ
⑦排気装置:排気ガス規制、三元触媒、エキゾーストマニホールド、EGRシステム
⑧潤滑・冷却装置:潤滑油の流れと油膜形成、ウォーターポンプ、ラジエーター
ガソリンエンジンの応用編として、
⑨エンジン性能適合:噴射時期、Φ適合、ノッキング、低温始動性
⑩更なる燃費向上:直噴、過給、EGR、超希薄、HCCI
⑪再生エネルギーによる燃費向上:LCA、FCV、合成液体燃料e-Fuel
❑2004年初めてプリウスに試乗した時、運転心地は最悪でした!
☛<講義5> ガソリンHV・PHVの基礎@HV機構を中心に解説(全278頁)
燃費向上でガソリン燃焼は限界に来ていました。2010年頃、CO₂の大幅低減車として日本ではHVを大きく変えた3代目プリウスを中心として、また欧州ではクリーンディーゼルを中心として市場シェアを伸ばしていました。決戦場は北米市場!ただ、ここでクリーンディーゼルの限界を露呈し、VW社は北米排気ガス規制に対する不正問題を起こしてしまいました。認めたのは2015年9月のことです。クルマ世界はここで少しずつEV化の方向?に舵を切り始め、EV革命と言われる時代に突入しました:
①HVの背景:ガソリン燃焼の限界⇒クリーンディーゼルの限界⇒HVかEVか?
②3つのHV原理:シリーズ方式、パラレル方式、シリーズ・パラレル方式
③各種HV:シリーズ⇒日産e-POWER、シリーズパラレル⇒トヨタTHSⅡ、ホンダi-MMD
❑昔からの電池・モータですが、半導体技術で大きく進化しました!
☛<講義6> EV電動部品の基礎@電池~モーターを解説(全316頁)
HV、そしてEVに必要な電動部品です。電池LIB、ネオジム磁石は40-50年ほど前に発見、発明された電動品ですが、半導体の進歩が電動部品を大きく生まれ変えました。半導体スイッチであるIGBTもその一つで、モーター制御を大きく変貌させたのです:
①2次電池:ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、全固体電池、ポストLiB
②回路技術:P型・N型半導体、コンバーター、インバーター、IGBT、三相交流と回転磁界
③モータ:三相交流同期モーター、ネオジム磁石、永久磁石形同期モータ
❑クルマの走る・止まる・曲がるはタイヤと路面の接地面の力関係で成立⁉
☛<講義7、8> 必要なクルマの技術①② @全266頁+243頁
クルマがタイヤを装着して地面上を走行するのであれば、HVもEVも動力源からタイヤに伝達された駆動トルクを如何にして路面に対する駆動トルクに伝えるかが重要となります。その際、タイヤとの接地面の力学が重要となります。タイヤの弾塑性の性質がなければ、進むことも止まることもましてや曲がることもできません。鉄製の前後輪ではどれも難しいと想像できますよね。ここではHV、EVに関わらず重要となるクルマの基本技術を学んでいきましょう!
①駆動トルクを車軸に伝える技術(駆動系):
MT変速機、AT変速機、ディファレンシャルギア、FFとFR方式、ドライブシャフト
②車軸トルクを路面に伝える技術(タイヤ&懸架系):
タイヤ、接地面の力学、サスペンションの3つの役悪、サスの構造(バネ、ダンパー)
③クルマを止める技術(制動系):
ディスクブレーキの構成部品、制動力とクルマの安定性、制御ブレーキ(ABS、TCS等)
④クルマを旋回させる技術(操舵系):
操舵の基本機構、油圧パワステ、各種電動パワステ、デフ、LSD、操縦安定性理論の基礎
くわな技研独自に編集されたセミナー資料講義1~8をPowerPoint(Windows11)資料で約2,400頁を講義毎にPDF版にて販売しております。なお、お試しセミナー教育として、いずれかの講義においても、無料で1時間ほどZoom会議で実施しておりますので、ぜひともご体験して下さい。また、詳しい内容構成、資料内容については、右上アドレスにご連絡頂ければ、Zoom会議等で具体的に資料をお見せして説明いたしますので、宜しくご検討のほどお願い致します。@2024.3.11